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『どうせ家を売るなら、ベストなタイミングで売りたいなぁ〜』
という人も多いのではないでしょうか。
家を売るタイミングによっては、かかる税率が違ったり、売れやすい時期も存在するので、販売価格にも影響します。
そこでこの記事では、事前に知っておくことで、家を売るタイミングを間違えないように、様々なタイミングについてご紹介していきたいと思います。
宅地建物取引士
碧
AO
不動産業界歴約11年(事業用賃貸3年、不動産売買8年)。 宅地建物取引士・ホームインスペクター試験合格・賃貸不動産経営管理士登録・競売不動産取扱責任者試験合格
家を売るタイミングによって変わること
家を売るタイミングによっては、売却価格など影響を及ぼすことがあります。
具体的には、
- 売却価格
- 売れやすさ
- 支払う税金
などが、時期やタイミングによって、影響があります。
それぞれ置かれている状況によっても違いますので、一つ一つご紹介していきます。
1、築年数から見る家を売るタイミング
建物には法定耐用年数というのが定められていて、
- 木造住宅:22年
- 鉄骨住宅:34年
- 鉄筋コンクリート住宅:47年
となっています。
法定耐用年数を過ぎたら住めなくなるというわけではありませんが、木造住宅の場合、不動産査定時には、築20年を超えていると、建物価値0円で計算し、土地のみの価格で販売するのが不動産業界では一般的になっています。
国道交通省が発表を行った、(財)不動産流通近代センターの木造の中古住宅の価格査定の例によると、新築~15年頃までが価格の下がり幅が大きく、15年以降は緩やかに下がる傾向にあります。
逆に言えば、築15年未満の木造住宅であれば、年々家の価値が下がっていく事になるので、なるべく早く販売できるように、売却の手続きを進めていく方がいいでしょう。
マンションの場合は、鉄筋コンクリート住宅の耐用年数47年が適用されますので、価格のさがり具合もゆるやかです。
2、支払う税金から考える家を売るタイミング
不動産を売った時に、取得費を上回る利益(譲渡所得)が出る場合は、譲渡所得税(所得税・住民税)という税金がかかります。
譲渡所得=譲渡価格(売却価格)-[取得費用(購入価格)+譲渡費用]
譲渡所得にかかる譲渡所得税の算出方法は、短期譲渡所得と長期譲渡所得で違います。
自宅の所有期間が5年を超えると、長期譲渡所得となります。
短期譲渡所得:売却した年の1月1日の時点で「所有期間5年以下」
長期譲渡所得:売却した年の1月1日の時点で「所有期間5年を超える」
短期譲渡所得 | 長期譲渡所得 | |
所得税 | 30.63% | 15.315% |
住民税 | 9% | 5% |
計 | 39.63% | 20.315% |
短期と長期で倍近く税率が変わってきます。
なので、譲渡所得税の観点から見ると、販売して利益が出そうな場合は、5年を超えたタイミングは家を売るタイミングと言えます。
売ったことで利益が出ず、譲渡損失となる場合は、譲渡取得税はかかりません。
3、空き家の場合の家を売るタイミング
家の売却を行い利益が出た場合は、その利益に対して、譲渡所得税というものがかかってきます。
家を売る時の諸経費については、こちらの記事▼でご紹介しています。
関連記事:家を売る諸費用はいくらかかる?解体費用や測量費用についても解説します
ただし、売る物件がマイホームであれば、譲渡所得から3,000万円控除できる『3,000万円の特別控除』の特例が適用される場合があり、適用されれば、譲渡所得税が下がる事になります。
ただし、『3,000万円特別控除』の要件の中に、
(1)自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。なお、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
引用:国税庁
という要件があり、『3,000万円特別控除』の適用を受けるためには、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに販売しなければなりません。
ざっくりいうと、空き家になった家を売るなら、3年以内が売るタイミングと覚えておくといいです。
特例の適用を受けるには、確定申告での書類の提出などが必要です。
詳細は国税庁のページで確認してみてください。
→ マイホームを売ったときの特例(国税庁)
4、売れやすい時期で考える家を売るタイミング
1年の中でも家が売れやすい時期というのが存在します。
中古戸建が売れやすい時期:3月・10月
『子供の新学期が始まる前に』『転勤が決まった』という意図で4月の新生活に向けて、3月は購入が活発になる時期で、人事異動や新生活に向けて早めに行動を起こす方もいるので、10月も成約件数も多いです。
上のように成約件数を表でまとめてみましたが、首都圏、近畿圏、中部圏ともに同じようなグラフの動きをしていることがわかります。
上でご紹介したのは中古住宅です。
では、マンションの場合はどうでしょうか。
マンションでも同じような折れ線グラフになりますが少し特徴が違います。
マンションの場合は、中古戸建より2月~3月の成約件数が多くなっているのがわかりますが、6月~7月、9月~10月も成約が多くあると言っていいでしょう。
中古マンションが売れやすい時期:2月~3月
購入希望者の方は、1か月くらい前から不動産会社に問合せを行い、購入に至るというケースが多いので、家の売り出しができるように売れやすい時期に合わせて事前に準備しておいた方がいいです。
こちらは、どれくらいの検索があったか調べる事ができるGoogleトレンドのデータですが、やはり中古住宅、中古マンション共に1月~2月、8月~9月頃に購入希望者が検索していることがわかります。
こういった結果からも、家が売れやすい時期の結論をまとめておくと、
- 中古戸建の売れやすい時期:3月・10月(準備は2月・9月)
- 中古マンションの売れやすい時期:2月~3月(準備は1月~2月)
となります。
物件広告の公開には1週間~2週間かかるので、早めに準備しておくのがベストなタイミングです。
5、市場動向から見る家を売るタイミング
数年前には、東京オリンピックを境に地価が下がっていくのでは無いかという見方が一部ではされていました。
これは、世の中の動きが東京オリンピックの建設需要などによって、活性化されているので、段々と閉塞化に向かっていく為不動産価値も下がっていくという見方でした。
ですが、現在の土地や建物の市場流通価格を見ると、不動産バブルと言ってもいい程に右肩上がりが継続しています。
現在は、地価が高く、家を売るタイミングとしても悪く無い状況です。
しばらくは、このまま右肩上がりで市場価格は上がり続けるかもしれませんが、いつ不動産バブルがはじけてしまうか…という業界全体の空気は感じますね。
ただし、少子高齢化によって、これからの不動産市場は、新築住宅メインの市場ではなく、中古住宅の取引がメインになっていくという流れは止められないというのが不動産業界全体の見方です。
特に高齢化によって、高齢者が病院、スーパーでの買い物など、日常生活が問題なく行える駅近の物件は、これからどんどん人気となっていき(いわゆるコンパクトシティというやつです)、不動産価値の大きな変動は無いといわれていますが、駅から離れた、いわゆる田舎と呼ばれるエリアの物件は、これからどんどん不動産価値が下がっていくと言われています。
その為、駅近の家を売るのであれば、焦る必要はありませんが、駅から遠い家を売るのであれば、ここ数年が売り時といってもいいのかもしれません。
家を売るベストなタイミング・売れやすい時期|まとめ
今回の記事では、家を売るタイミングについてご紹介してきました。
ご紹介した家を売るタイミングをまとめておくと
- 新築~築15年未満の家は年々価値が下がるので、築浅の状態が売るタイミング
- 譲渡所得税は5年を超えると長期譲渡所得となり税率が下がり家を売るタイミング
- 3,000万円特別控除を使うなら空き家の場合は3年以内が家を売るタイミング
- 3月・10月が成約件数が多く、家が売れやすいタイミング
- 少子高齢化により駅遠の物件は今後価値が下がる可能性が高い
となっています。
家を売るタイミングについてご紹介しましたが、販売価格が市場流通価格よりも高かったり、ニーズが少ないエリアであれば、なかなかタイミングよく売れないこともあるので、そういった場合は、長期戦でじっくりと挑むことを覚悟しなければいけません。
家を売るには、まず不動産会社に問い合わせる必要があります。
査定については、こちらの記事▼で詳しくご紹介しています。
関連記事:家の査定はどこに頼む?元不動産屋が教えるおすすめの査定方法
こちらの要望にしっかりと向き合ってくれる不動産会社に任せられると安心ですね。