家の査定に必要なものは?必要書類と対応方法について解説

家の査定に必要なもの

家の査定を依頼したけれど、なんの書類を用意しておけばいいかわからないという方や、

今から査定を依頼するけど、必要なものは何?

と疑問な方も多いでしょう。

そこで、今回は『家の査定に必要なもの』についてご紹介していきます。

この記事の著者

宅地建物取引士

AO

プロフィール

不動産業界歴約11年(事業用賃貸3年、不動産売買8年)。 宅地建物取引士・ホームインスペクター試験合格・賃貸不動産経営管理士登録・競売不動産取扱責任者試験合格

家の査定に必要なもの

家の査定の時に必要なもの

まずは家の査定の時に必要なものを一覧にしてみました。

必要なもの
  • 権利証(登記済証・登記識別情報通知)
  • 間取りのわかる図面
  • 確定測量図
  • 建築確認申請書・建築確認済証・検査済証
  • リフォームの履歴がわかる書類
  • 身分証明書
あれば用意しておくもの(一戸建て)
  • 建物の設計図書
  • 固定資産税納税通知書
  • 重要事項説明書・契約書
  • 越境の覚書(越境がある場合)
あれば用意しておくもの(マンション)
  • 購入時のパンフレット
  • 管理規約や使用細則

こちらでご紹介している査定に必要なものは、訪問査定時に必要なものを記載しています。

対面せずとも簡易的に行える机上査定(概算査定)では、家の住所などがわかれば、概算で査定はしてもらえると思います。

建売で家を購入した場合、土地を購入し家を建てた場合、とそれぞれあると思いますが、基本的には、購入時(建築時)に貰った資料がまとまっていれば、権利証、図面、確定測量図、建築確認申請書、建築確認済証、検査済証など、そこに家の査定に必要なものは揃っているでしょう。

家の査定に費用なもの①権利証

権利書

一昔前は権利証と呼ばれていたものが現在では、登記識別情報通知と名前が変わっています。

家を購入(建築)した年代によって呼び名が変わりますが、権利証・登記済証・登記識別情報通知のいずれかを用意しておきましょう。

一戸建ての場合は、土地の権利証、建物の権利証と2つありますので、2つが揃っていることを確認してください。

不動産会社が家の査定を行う時には、権利証(登記済証・登記識別情報通知)と身分証明書によって、所有者本人かどうかを確認します。

数年前には地面師による詐欺グループに住宅メーカーが騙された事件が話題になりましたが、家の売買を行うにあたっては、しっかりと所有者本人と確認しないまま売買を進めると、大変な事になってしまいます。

なので、基本的には査定時に土地建物の権利関係を確認し、所有者本人であることを確認します。

また、権利証(登記済証・登記識別情報通知)を紛失している場合は、その旨を営業担当者に伝えればOKです。

紛失している場合は、最終的に所有権移転登記時に有資格者(司法書士等)による本人確認が必要となり、5万円~10万円の費用がかかります。

家の査定に費用なもの②間取りがわかる図面

家の間取りがわかる図面があれば、用意しておいてください。

査定時にどのような間取りになっているのか確認を行います。また、不動産会社に家の販売を依頼する際には、物件情報などに間取りを活用します。

家の査定に費用なもの③確定測量図

家を新築で購入した場合などは、購入時の書類の中に、通常であれば確定測量図があるはずです。

確定測量図とは、土地の測量を行い、敷地と隣地、道路等の境界線の確認をした測量図になります。

確定測量では、隣地所有者と境界を確認したことが署名押印がされた境界確認書が作成されます。

確定測量図を基に、家の土地の境界や杭などを確認し、どこが境界線なのか、越境がないか、等を査定時に確認します。

建ててから年数が建っている家や、相続した家などでは、確定測量図がないかもしれません。

その場合は、査定時に営業担当者にその旨を伝えれば問題ありません。

なお、確定測量費用や家を売る時に費用についてはこちらの記事で解説しています。

関連記事:家を売る諸費用はいくらかかる?解体費用や測量費用についても解説します

家の査定に費用なもの④建築確認申請書・建築確認済証・検査済証

家を建てる時には、建築基準法に適合する家を建てなければなりません。

家を建てるまでの流れ

そこで、工事着手する前に、建築確認申請を行います。

建築確認申請が完了すると、建築確認済証が発行されます。

その後、家を建築し、工事が完了すると、建築確認申請の通り工事が完了しているか、完了検査を行います。

完了検査が問題なければ、検査済証が発行されます。

検査済証はいわば『この建物はちゃんと法律を守って建てられていますという証明みたいなものです。

こういった理由から、家がちゃんと適法に建てられているか確認するのに、建築確認申請書、建築確認済証、検査済証が必要になってきます。

ただし実際は、建築確認申請書はあるけど、検査済証はないという家は、年代が古くなればなるほど多いです。

というのも、国土交通省がまとめた資料によれば、1998年時点で完了検査率は38%で、昔は大手ハウスメーカーでさえも完了検査を行わないことが一般的でした。

建築確認さえ下りてしまえば、家の建築ができるので、特に完了検査を受ける必要がなかったためです。

しかし、2003年に国道交通省から金融機関に対して『検査済証のない建築物に融資を控えるように』という要請があったために、以降は完了検査を受ける割合が格段にあがりました。

こういった理由から、古い家になればなるほど、検査済証がないという事も多いでしょう。

完了検査を行っているが、紛失してしまっている場合は、記録が残っていれば再発行もできますが、検査済証が取得できない場合は、買主が住宅ローンを組む際に銀行が制限される可能性があります(金融機関による)。

検査済証がない場合は、査定をしてもらう営業担当者に相談してみましょう。

家の査定に費用なもの⑤リフォームの履歴がわかる書類

家のリフォームを行っている場合は、どのようなリフォームを行ったかわかる資料を用意しておきましょう。

外壁塗装や、防水、シーリング等、家を長く保つ為や家の価値が上がるようなリフォームであれば、家を売る時の査定で有利になる事が多いです。

中古住宅であったとしても、より長く良い家を購入したいという買主は多いです。

家の査定に費用なもの⑥身分証明書

運転免許証などの本人確認書類を用意しておきましょう。

権利証とあわせて所有者本人の確認を行います。

あれば用意しておくもの(一戸建て)

建物の設計図書

建物の設計図書があれば用意しておいてください。

建物の設計の詳細や竣工図(完成図書)があれば、建物の間取りがわかるだけでなく、購入希望者が検討する時の有益な情報となります。

固定資産税納税通知書

固定資産税納税通知書があれば、家を売る時にその土地と建物にどれだけの税金がかかっているのか把握する事ができます。

購入希望者が購入を検討する際には、どれだけの固定資産税がかかっているのかは、重要なポイントです。

また、契約時や引渡時には、固定資産税評価証明書が必要になってきます。

家を売る時の必要書類については、こちらの記事で解説しています。

関連記事:家を売る時にやることは?必要書類や手続きについて解説します

重要事項説明書・契約書

重要事項説明書・契約書

家を購入した時の重要事項説明書や契約書があれば用意しておくとよいでしょう。

新築住宅を購入した場合は、購入時の書類の中にまとまっていることが多いです。

重要事項説明書があれば、その土地に係る法令規制や、注意事項などが事前にわかるので、査定がスムーズに進みます。

越境の覚書(越境がある場合)

家を売る時に隣地との越境関係は、ハッキリとさせておく必要があります。

枝葉が越境している、ブロックが越境している、屋根のひさしが越境している等、物件によって様々です。

越境している状況があり、以前に越境に関する覚書を交わしている場合は、用意しておくといいでしょう。

すぐに越境状況が改善できない場合は、越境の覚書を交わし、建て替えの際には越境状態を改善する旨を記載します。

越境の覚書は、新しい所有者に引き継がれていくものとなります。

あれば用意しておくもの(マンション)

購入時のパンフレット

マンションを売る場合は、購入時のパンフレットは必要になってきます。

家の間取りや、壁芯面積などを確認します。

査定時にパンフレットがない場合でも売却時には必要になるので、管理会社から取り寄せたり、東京カンテイという会社から発行してもらいます。

査定時にパンフレットがない場合は、不動産会社の営業担当者に相談してみましょう。

管理規約や使用細則

管理規約や使用細則があれば用意しておきましょう。

どのような管理規約や使用細則があるかは、マンションによって異なるので、ない場合は管理組合や管理会社から取り寄せます。

家の査定で営業担当者に伝える事

セールスポイント(魅力)を伝える

その家に住んだことがある人にしかわからない魅力というものがあります。

眺望の良さ、日当たり、風通し、周辺環境の利便性など、セールスポイントはまとめておきましょう。

家の査定で、不動産会社の営業担当者に伝える事で、査定価格がアップする可能性があります。

修繕履歴や土地の利用履歴

建物の修繕やリフォームを行っていれば、査定価格がアップする可能性があります。

ただし、入希望者にマイナスになるようなリフォームであれば、価格が下がる場合もあるでしょう。

一戸建ての場合は、白アリの防虫対策などをおこなっていれば、評価が上がりやすいです。

また、土地の利用履歴がわれば、事前に調べておいた方がいいでしょう。

地中埋設物がないか(解体の際の瓦礫や配管など)、土壌汚染があるような利用のされ方はないか(ガソリンスタンド等)、等調べておき、担当者に伝えておくと、後々のトラブルを防ぐことができます。

営業担当者をこちら側も査定する

家を上手に売る為には、営業担当者とやり取りが上手くできるかも重要になってきます。

  • なんの連絡もくれない営業担当者
  • 態度や要領の悪い営業担当者

こういった不動産売却の営業担当者のクレームは、世の中にあふれています。

例え、大手の評価の高い不動産会社だったとしても、営業担当者とウマがあわなければ、こちら側も気分がよくありません。

数か月の付き合いとはいえ、気持ちよく家の売却をするには営業担当者選びは重要です。

家の査定の時には、こちら側も営業担当者を査定する気持ちで、『この人は信頼できそうか』という事をよく見ておくといいでしょう。

家の査定に必要なもの|まとめ

家の査定に必要なものについてご紹介してきました。

査定を依頼するべきおすすめの不動産会社については、こちらの記事でご紹介していますので、興味がある方は覗いてみてください。

関連記事:家を売るならどこがいい?【不動産屋選び】おすすめランキング5選!相談すべき会社を選定

家の査定の時に必要なものをまとめておくと、

  • 権利証(登記済証・登記識別情報通知)
  • 間取りのわかる図面
  • 確定測量図
  • 建築確認申請書・建築確認済証・検査済証
  • リフォームの履歴がわかる書類(リフォーム歴がある場合)
  • 身分証明書

となっています。

事前に何を用意しておくべきか不動産会社から通達があるかもしれませんが、ない場合はこれらを用意しておくとスムーズです。

また、資料がない場合は、ないと営業担当者へ伝えてましょう。

家の査定をしてもらう時は、査定額などではなく、その営業担当者がしっかりした人物かこちら側も査定する気持ちでよく見ておくと良いです。

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