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家を売却することになり、不動産会社に査定に来てもらうことになったけど、家の査定ではどこを見るの?
『査定額に響くなら査定ポイントを事前に知っておきたい!』
という風に思いますよね。今回は元不動産営業マンの僕が家の査定についてご紹介します。
確かに、家の査定ってどこを見るのか気になるニャ〜。
事前にどこを見るか知っておいて、安心したいよね♪
宅地建物取引士
碧
AO
不動産業界歴約11年(事業用賃貸3年、不動産売買8年)。 宅地建物取引士・ホームインスペクター試験合格・賃貸不動産経営管理士登録・競売不動産取扱責任者試験合格
【不動産売却】家の査定はどこを見る?
まず、家の査定と一口にいっても、土地と建物で査定ポイントがそれぞれあります。
最終的には、総合的に査定価格を出すのですが、ざっくりどこを見るか箇条書きにするとこんな感じです。
【家の査定】
- 築年数・増改築・修復履歴
- 建築会社・構造・間取り・広さ
- 生活環境(日当たり・風通し)
- 設備・室内の劣化不具合
- 周辺の環境・トラブル等
【土地の査定】
- 土地の形状・高低差・利用履歴
- 境界・越境の有無
- 接道状況・駐車台数
なお、不動産査定には、
- 机上査定・・・近隣の相場や築年数・面積などからおおまかな査定額を算出
- 訪問査定・・・実際に家をみて精度の高い査定額を算出
と2種類ありますが、この記事では『家の査定はどこをみる?』かをテーマにしていますので、訪問査定についてご紹介していきます。
それではそれぞれ解説していきます。
【家の査定】はどこを見る?ポイントをご紹介
まずは、家(建物)の査定について、どこを見るのかご紹介していきましょう。
築年数・増改築・修復歴
まずは、築年数です。
当然ですが、新しければ価値がつきやすいです。
また、木造住宅の場合では、法定耐用年数(減価償却計算に使われる)が22年となっていて、築年数が22年を超えている物件は、税法上では価値なしとなります。また、銀行でも担保価値がつかない事も多いので、基本的には査定においても建物価値が無しとするのが一般的で、土地のみの価値で査定額を算出します。
ただし、高級住宅や注文住宅、リフォームや管理の行き届いている物件と判断されれば、再調達価格を参考に調整します。
ふぉぉぉッ!たった20年で…価値なしかい…築20年でも全然住めると思うけど?!
少子高齢化時代が来るから、この先もっと中古住宅が余ってくる事が予測されてるよ!そうなるとますます価値はつけづらくなるかも…
増改築をおこなっている場合や、家の修繕・修復などがある場合は、その資料を用意しておきましょう。
外壁の塗り替えや、バルコニーの防水等、家を綺麗に保つために行った修繕は、プラスのポイントとなりますので、査定の際にアピールできるように資料を用意しておきましょう。
雨漏れの修復履歴などがある場合は、しっかりと報告しましょう。
室内の雨染み等を見れば、過去に雨漏れがあったことはすぐわかるので、修復から一度も雨漏りをしていないなど伝えれば、問題ありません。
建築会社・構造・間取り・広さ
建築会社ですが、一般的にはハウスメーカーで建てた家の方が高く売れる傾向にあります。
ブランドやネームバリューによる安心感や良質な建具屋や、住宅設備、メンテナンスの手厚さなどがある為です。
構造については、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造によって耐用年数が違いますが、当然ながら残りの耐用年数が長いほうが価値がつきます。
構造 | 耐用年数 |
---|---|
木造 | 22年 |
軽量鉄骨プレハブ造(骨格材肉厚3mm以下) | 19年 |
軽量鉄骨プレハブ造(骨格材肉厚3mm超4mm以下) | 27年 |
重量鉄骨造(骨格材肉厚4mm超) | 34年 |
鉄筋コンクリート造 | 47年 |
こちらは減価償却計算に使用される法定耐用年数なので、実際の建物の寿命とはことなりますが、銀行によっては、中古住宅を購入する際に、法定耐用年数を基準に住宅ローンの可否を決めている銀行もあるので、査定する上でのポイントとなります。
さっき言ってた『ホウテイタイヨウネンスウ』ってやつやな!
当然だけど、頑丈に出来てる建物ほど価値がつきやすいよ♪
間取りについては、キッチンなど使いやすいものとなっているか、動線はおかしくないか、何部屋あるかなどを確認します。
広さについては、何人家族に最適な家なのか、2世帯住宅として利用可能なのかなど、確認します。
生活環境(日当たり・風通し)
日当たりがいい家はとても気持ちがいいですよね。
家の査定では、方角が南向きかどうか等を見ます。一般的には、南向きの物件が好まれる為、南向きの場合はプラスポイントとなります。
また、方角が西向きだと、部屋に差し込む西日がキツく避けられる傾向にありますが、中には西日を気にしない方もいるので、そこまで気にする必要はないでしょう。
その他、影をつくる高い建物等が近くにないかを見ます。
『家を長持ちさせるには、風通しを良くして、乾燥させる事が大事』といいますが、風通しがいい家は、カビが繁殖しにくく、洗濯物も乾きやすいなどのメリットがあります。
逆に風通しが悪いと、冬に底冷えしないなどのメリットはあるものの、家が痛みやすく、カビが繁殖しやすかったり、シロアリも湿気を好む為、デメリットとなります。
しかし、風通しが悪くても、住んでみるとメリットと感じる事が多い場合は、担当者へ率直に伝えて、プラスポイントもあることをアピールするといいでしょう。
設備・室内の劣化不具合の確認
- システムキッチンになっている
- 床暖房がついている
- 太陽光発電がある
- 浴室乾燥機がある
- 収納がたくさんある
などなど、家の設備が充実している場合はプラスポイントになるので、積極的に担当者に伝えるといいでしょう。
また、空き家にしていて、給湯器が故障している等、不具合があればマイナスポイントとなりますが、しっかりと告知しておくと後々トラブルになりません。
電気・水道・ガス等は特に生活に欠かせないインフラ設備なので、不具合がある場合は、しっかりと伝えるほうがいいでしょう。
『家の査定でどこを見るか』というのを気にしている方で、一番気になるのが室内の劣化不具合の度合いかもしれません。
築浅の物件で、家がとても綺麗な状態で使用されていれば、新しく購入した方はクロスの貼り替えだけで、住むことができるかもしれません。
逆に室内の劣化・不具合が酷いと、リフォーム費用にかなりお金がかかりますので、マイナスポイントとなってしまいます。
また、雨漏り、シロアリの被害、床の傾き、などの不具合を事前に知っている場合は、素直に不動産業者に告知するといいでしょう。
不動産会社や売主でも目で見て確認できない不具合は、住宅診断(ホームインスペクション)を実施して、躯体や外壁等に問題ないか検査することも可能です。心配な場合は、不動産会社の担当者に相談してみましょう。
周辺の環境・事件事故トラブル等
家の立地条件や、周辺環境も査定の重要ポイントです。
駅やバス停から徒歩何分なのか、近くにスーパーはあるか、小さい子供がいる家庭では学校の位置や学区も気にするでしょう。
嫌悪施設と呼ばれる、廃棄物処理場、火葬場、墓地、風俗店、下水処理場、刑務所、近くで騒音・異臭を放つ施設や場所がないか、線路、高圧鉄塔など、周辺の環境は重要です。
また、過去に事件や事故、近隣トラブルなど、不動産会社の担当者からの聞き取り調査もあるかと思いますが、ここは売主として誠実に回答しておきましょう。
後々トラブルになると、契約解除や損害賠償請求といった事にもなりまねません。
【土地の査定】はどこを見る?ポイントをご紹介
続いて、土地部分についてはどこを見るのかご紹介していきましょう。
土地の形状・高低差・利用歴
土地の形状については、なるべく真四角な整形地の方がいいでしょう。旗竿地(袋地・路地状敷地)は建物が周囲に囲まれる為、日当たり・風通しの問題や、路地状部分での縦列駐車になる事が多いなど、デメリットがあるので、マイナスポイントとなります。
また、その他の不整形地も実際に利用できる面積が限られたりするので、マイナスポイントとなります。
隣地や道路などと、土地の高低差がある場合も、減額のポイントになりやすいです。家の目の前に車がつけれない物件は利便性も下がります。
また、がけ条例という条例により一定の高さの崖の近くに建物を建築する場合は、条例に定められた距離を離して建築する必要があります。条例の規制内容は各都道府県により異なります。
しっかりと査定書を出す場合は、土地の利用歴も調べます。ガソリンスタンドや工場など、土地が元々有害な施設として使用されていなかったか、田んぼとして利用されていなかったか、池などではなかったか等を調査します。
土地が土壌汚染などされている場合は、かなりのマイナスポイントとなります。
境界・越境の有無
地積測量図などを基に、境界や境界杭の確認をします。確定測量といって隣地や公道と境界を確認していなければ、売却までに確定測量を行い、隣地の所有者でお互いに境界を確認した承諾書がついた確定測量図を買主に交付します。
お互いの境界線を確認した書類がいるってワケやな。
測量費用は数十万円かかるから覚えておいたほうがいいよ!
調査地から、隣地への越境、隣地から調査対象地への越境がないか確認します。既に隣地の方と越境の覚書を交わしている場合は、その覚書を用意しておいてください。
また、覚書を交わしていなくても越境が確認できた場合は、売却までに覚書を交わす必要があります。
接道状況・駐車台数
どういった道にどれくらい接道しているか等を確認します。また、土地までの進入路の幅や、交通規制などないか確認します。
駅が近い物件だといいですが、車が必ず必要な地域では、駐車台数が多ければプラスポイントとなるでしょう。
土地が広ければ、家族で2台、来客用に1台など、利用シーンが想像できます。
ふぅ〜なかなか長かったニャ…。家の査定でどこを見るのかわかったけど、なかなか大変そうやな。
全て理解している必要はないけど、後々トラブルを防ぐ為にも、知っていることやわかっている事はありのままを伝えるといいよ!
【不動産売却】家の査定の準備(掃除・揃えるもの・時間)
家の査定前に掃除は必要?
素朴な疑問なんだけど、家の査定前に掃除は必要なん?
確かに。家の査定額に営業がありそうで、掃除しておいた方がいいような気がするよね。
結論から言うと、家の査定前の掃除は基本的には必要ありません。
家の査定では、できる高く査定をして欲しいが為に、掃除をする方が結構いますが、掃除をすることで、家の査定額にあまり影響はありません。
というのも、不動産会社は、家そのものの価値で査定額を算出しているので、綺麗かどうかはたいして重要視されないのです。
ピカピカでも、多少散らかっていても、家の価値そのもので査定額をだすので、ほとんど査定額が変わることはないでしょう。
ただし、汚損や破損、劣化などになると話は別です。
普段から掃除をしていないが為に落ちない汚れ、壁や床、建具の破損やたばこのヤニ等、家の価値そのものに影響を与えていると思われる汚れや破損は、査定価格に影響します。
普段から掃除やメンテナンスが行き届いている家は掃除の必要がありませんし、普段から掃除やメンテナンスを怠っている人も、今更慌てて掃除をしてもあまり影響がないでしょう。
ただ、不動産会社の担当者も人間ですので、あまりに掃除されていない汚い家だと、いい気分はしませんし、だらしない人だと思われてしまうかもしれません。
あえて念入りに掃除する必要はありませんが、パッと見の印象も違いますし、気になる方は普段通りの掃除しておくといいでしょう。
家の査定が終わり、不動産会社へ販売を依頼して、内覧で人が見に来るとなったら、掃除は必須です。
本当であれば、生活感がない物件の方がいいのですが、居住しながら販売すると、そうも言ってられません。
見てもらう人に【買いたいな】と思ってもらうには、なるべく生活感をなくして、綺麗にしておく方が、購入してもらいやすいです。
掃除と整理整頓をし、なるべく物を少なくし、生活感を感じさせないようにするといいでしょう。
費用はかかりますが、ハウスクリーニング等を利用するのもいいです。
家の査定の時に用意しておきたいもの
- 身分証明書(運転免許証等)
- 登記識別情報(権利書)
- 建物図面(間取図)
- 建築確認済証・検査済証
- その他購入時(建築時)の書類一式
- 修復・増改築がわかる書類(※修復・増改築などをしている場合)
2017年には、大手ハウスメーカーが地面師に騙される大きな事件がありましたが、土地と建物の所有者かどうかを身分証明書と登記識別情報(権利書)でしっかりと確認します。
建築確認済証・検査済証は、建築時にしっかりと建築確認申請と完了検査を受けている証明になるので、建築時に違法建築でない事の証明になります。
また、建築当時の建物図面と、現在の家を見比べて違法な増改築等を行っていないか確認します。
査定をスムーズに行うために、できるだけ資料を揃えておくといいでしょう。
家の査定の時に必要なものはこちらの記事▼でも詳しく解説しています。
関連記事:家の査定に必要なものは?必要書類と対応方法について解説
訪問査定前に、自分の家の周辺の相場が大体いくらぐらいか、調べておくとよりいいです。
当然、不動産会社の担当者も事前に相場を調べてから、訪問査定しますが、
- 相場よりも明らかに高すぎる査定金額を出された
- 相場よりも明らかに低すぎる査定金額をだされた
と言った場合は、注意が必要です。
もちろん、相場との金額差にはっきりとした根拠があればいいですが、そうでない場合は『売り急ぎたいから低い査定額を出している』『仲介を依頼されたいから、わざと相場よりも高く出している』といった可能性もあります。
不動産会社の営業担当が誠実かどうかを見極める為にも、相場価格は調べておいてください。
そして『それって、相場価格よりも低い(高い)金額ですよね?何か理由はあるんですか?』と聞いてみると、担当者も『このお客さんは、しっかりと知識がある方なんだな』と思い、襟が正される気分になります。
ちなみに、家の売却を急いでいる場合など、不動産会社に買取りをお願いする場合は、査定価格(実勢価格)の2割引〜3割引で買取金額が提示される事が多いです。
『家の査定をどこに頼むべきかわからない』という方はこちらの記事▼でも詳しくご紹介しています。
関連記事:家の査定はどこに頼む?元不動産屋が教えるおすすめの査定方法
家の査定の時間はどれくらい?
査定にかかる時間は、不動産会社によって方式が異なるので、一概に何分と断言することは難しいです。
机上査定であれば、1時間~1日もあれば、査定書を出すことができます。
今回のように、訪問査定の場合ですが、数十分程度家の中や敷地の境界関係を確認して、その後打合せを行うのが一般的です。
打合せ時間にもよりますが、1時間半~2時間程度は余裕を持って時間を確保しておくといいでしょう。
また、査定書については、査定の打合せ時に査定価格を決めてしまう不動産会社もありますが、大手などになると、しっかりと役所調査やインフラ関係・法規制を調べるので、査定書がもらえるまで数日かかると思っておいた方がいいです。
家の査定はどこを見る?|まとめ
今回は家の査定でどこを見るのかをご紹介しました。家の査定でどこを見るか気になる方は、おそらく
- 事前に準備しておきたいしっかりとした方
- なるべく高く売りたいのでできれば知っておきたい方
という人が多いのでしょうか。
家の査定でどこを見るかをご紹介しましたが、不動産会社は査定金額を出すのに、近隣の相場価格を参考にしているので、事前にある程度の価格のイメージを持って査定に訪れることが多いです。
その価格のイメージから、プラスポイントだったり、マイナスポイントで加点・減点するという方式になるかと思います。
あまり大きい声では言えませんが、不動産業界には、いろいろと信用ならない営業マンが多いので、こちら側の対応としては、しっかりと対応してくれる営業マンかどうか等を見極めることも大切です。
- 信頼できそうな担当者か
- 誠実に対応してくれそうな担当者か
- 口がうまいだけの営業マンではないか
などをしっかりと見極めて、いい売却ができるよう参考にしてみてください。